ひよこを入れよう

4月11日、久しぶりに土曜日の午後がポッカリ空いた。川内原発の再稼働騒ぎでこんな日はめったにない。

本作りのたまった仕事でも片付けようかと思ったが、天気が良すぎて、とてもそんな気にはなれない。会社の庭をぶらついていたら、気になっていたトリ小屋の屋根修理に思い至った。

去年の夏、小屋の隅っこにオオスズメバチが巣を作ったので、トリは放し飼いにした。秋の台風でタキロンの屋根が吹き飛ばされてしまったが、トリは放し飼いだし、まあいいやと、そのままにしていたのだ。

よし、やろうと、道具を探しているうちに、エンドウ豆でも植えようと以前100円ショップで買いそろえた網や支柱が目に入った。会社の片隅を耕せば畑ができる。ちょうど、ニガゴリやヘチマも植え時だ。トリ小屋には、いい肥料となるトリの糞が積み重なっている。というわけで畑作りも思い立った。

カラムシのおい茂る庭を掘るのは骨が折れる。太い根っこが地中に張り巡らされている。それでも汗をかきながら、ひと鍬ひと鍬耕すうちに、やがて畳2枚分くらいの畑が姿を現した。柱を立て、支えを付けて網を張れば傍目にも立派な畑が出来上がりだ。
どんなもんだ、エッヘン。耕す間中ずっとまとわりついていたニワトリ君に自慢した。離れないのでよっぽど私のことを気に入っているのかと思ったが、思い過ごしだった。私がそこを離れると、私には見向きもせず、ほかほかの畑で盛んにミミズをほじくっていた。トリはミミズが欲しかっただけだったのだ。

さて、お次は屋根の修理だ。先ず、吹き飛ばされたタキロンを庭に並べてみる。
90×180cm5枚のうち3枚は原形をとどめていたが、2枚はばらばらに割れている。だが、ジグソーパズルのように組み合わせると、使えなくもない。5cmほど重ねて釘で止めれば雨漏りもしないだろう。つぎはぎで、その分庇が短くなるが問題ない。

築10年の小屋の屋根に上るとグラグラ揺れたが、体重が1カ所にかからないように注意すれば大丈夫。腰が定まらない分、釘を金槌で打ち付けるとき、何度も釘の代わりに指を叩いた。痛い思いをこらえながらも何とか出来上がりだ。おー、美しい。二つ目の仕事が片付いた。

あーでもない、こーでもないという本作りより、形の見える畑作りや小屋の修理は、よっぽど充実感がある。

暖かくなったら、小屋にひよこを入れよう。秋には大人になって卵を産むようになるだろう。にぎやかになるぞ。楽しみが増えた。

 

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