2012.2.16〜2012.5.21


 2012.5.21 県知事選出馬表明

 7月に知事選がある。誰か出てくれないかな―。誰かいないのかなー。そう思っているうちに4月も中盤になった。
 おいおい、こりゃ、まずいよ、伊藤知事が再選されたら、すべて止まっている原発の再稼働一番目に川内がなってしまう。というわけで、反原発・かごしまネットの総力を上げて、候補者探しに突入した。と言ってもそんなにあてがあるわけでもない。何人かに当たって木っ端みじんに断られ、残るは向原本人しかいない、ということに。
 後先考えずに、無謀な挑戦と相成った。5月連休明けから始動、最初の躓きもあって、やっと5月22日に出馬表明。以下にマスコミに配布した声明文から。
 ――私は1992年、東京からUターンして36歳で図書出版南方新社を創業し、出版活動によって、もっと心豊かで住みよいふるさと鹿児島にしようと努力してきました。同時に、県民のいのちを守り、この豊かな自然を未来の子どもたちに残すために、反原発運動に携わってきました。
 2011年3月11日の大地震を契機にした福島第一原発の爆発事故は、あらためて、原発の脅威を明らかにしました。西日本の原発で事故が起これば、立地県はもとより近隣県、さらに偏西風によって広く日本全土が汚染され、国家の滅亡にいたる危険性さえも明示されたのです。
 選挙を前に伊藤知事は「脱原発」を表明しました。これは、福島第一原発事故による被害のあまりの大きさに、県民の中に、原発そのものについての疑問や不安が広がり、「原発をなくそう」という声の高まりに、知事としても「脱原発」を表明せざるを得なくなったものと言えます。しかし、同時に、脱原発社会の実現まで短く見積もって30年かかるとも発言しています。一旦自身で受け入れた川内原発3号機増設の白紙撤回さえ、これまで九州電力に申し入れていません。伊藤知事の川内原発に対する姿勢は、これから30年間県民を危険にさらそうとするものであり、県民のいのちと、子どもたちの未来を守るという立場からは、到底、容認できるものではありません。
 今回の鹿児島県知事選挙は、日本の原発が全停止して以降初めての原発立地県の知事選挙です。日本が地方から脱原発を実現する、まさに歴史的な選挙となるのです。(略)
 最後に、これまで知事選で原発が争点になることはありませんでした。今回初めて、県民が自ら原発について意思表示が出来るのです。全ての県民の皆様に、棄権することなく、投票していただきたいと思います。――

 2012.4.17 連作障害

 春が来た。気持ちの良い畑仕事の季節だ。
 ナス、トマト、ジャガイモなどのナス科、枝豆やインゲンなどのマメ科は、毎年続けて植えたらダメ。3、4年は違う作物にして、時間を空けなければならないと橋口さんに教わった。連作障害が出てうまくいかないらしい。
 作物によって悪さをする病原菌は違う。今年その病原菌が悪さをしない範囲で繁殖したとしよう。翌年も同じ作物を植えたら、その病原菌はかなりの部分が土の中に居座っているから、今年以上に勢力を伸ばす。こりゃ大変だ。みんな病気になってしまう、っていうのが連作障害ってわけだ。うん、勉強になった。
 今日は4月17日、晴れ。通勤の途中に通る谷あいの田んぼでは、れんげ草がちょうど真っ盛り。ゆるやかな坂を登っていくから、次々に新しい田んぼが目の前に現れる。れんげ草も、上から見るより、斜め横から見たほうがピンクが重なって鮮やかだ。なんてきれいなんだろう、と息をのむ。
 私が去年、合鴨農法でコメを作らせてもらった田んぼも、種をまいたわけでもないのに、れんげの園になっていた。初年落ちた種が、また芽吹いてくれたのだ。
 ん、ちょっと待てよ。れんげ草もマメ科。連作障害はどこに行ったの?
 田んぼでは連作障害の法則が通用しないらしい。
 あらためて尋ねると、水を張るから大丈夫なんだと。水を張ると田んぼの土に酸素がない状態になるから、そのとき病原菌がみんな死んでしまうんだ。なるほどね。
 れんげ草に、そんな不思議な仕組みがあったんだ。
 ここでまた別な疑問がわき上がる。マメ科といえばシロツメクサ。会社の庭にはシロツメクサがほこっている。ときどき四つ葉探しで遊ばせてくれるこの雑草の連作障害はどうなっているのだろうか。
 作物に連作障害があって、雑草にないということは考えにくい。同じ場所でほこっているように見えて、実は少しずつ勢力図を動かして、連作障害を避けているのだろうか。それとも、何か別の仕組みがあるのだろうか。
 とりあえずは、シロツメクサの群落に、ひもで印を付けておけば、群落の移動は確認できる。小学校の自由研究みたいだけど、やってみよう。
 ところで、南方新社では植物図鑑をいろいろ作っている。三月には野山の脇役中の脇役、蔓植物の図鑑を刊行した。著者の川原さんの次作は、植物遊びの本。シロツメクサの花飾りが図鑑にも登場します。本を見ながら作ってみませんか。

 2012.3.15 列島汚染は謀略か

 国が震災ガレキの受け入れ先探しに躍起になっている。315日、鹿児島県議会にも環境省の役人が説明に来た。
 放射能汚染のひどい福島のものではないから大丈夫、なわけはない。岩手や宮城のガレキにも312日に海沿いに北へ向かった放射能がこびりついている。
 その証拠に、国は燃えかすの焼却灰に最高8000Bq/kgの放射性セシウムを予想している。曰く「8000Bq以下の灰は土をかぶせて埋める」。おいおい大丈夫か?
 2005年に改正された原子炉等規制法では、セシウムが100Bq/kgあれば放射性廃棄物として厳重管理の対象となる。原発内では、100Bq/kgで厳重管理されながら、原発の外ではその80倍の汚染物が手軽に埋め立てられる。なんと不思議なことがあるものよ。
 案の定、群馬県伊勢崎市の処分場では国の基準より大幅に低い1800Bq/kgの焼却灰だったにもかかわらず、放射性セシウムが水に溶け出し、排水基準を超えた。横浜市の処分場では、今年3月の市議会で、4カ月強で1億3000Bq/kgのセシウムが横浜港に放出されていたと明らかにされた。
 埋めれば漏れる。この放射能、300年間は漏れてはならないはずだが、100%漏れていく。川や地下水に流れ込んで、やがて飲み水も失わざるを得ない。
 国は「バグフィルターがあるから、セシウムが大気中に出ることはない」ともいう。ところが、ばい煙を除去するためのこのフィルター、なかなか扱いが難しいらしい。
 1000度前後の排ガスを200度に下げねばフィルターが焼け焦げてしまう。下げすぎたら結露してがちがちに固まる。バグフィルターについて99年度に66都市から回答のあったNEDOの調査では27件の事故が起こっている(津川敬著『教えて!ガス化溶融炉』緑風出版)。
 温度がうまく下がらない場合は、高温の排ガスをフィルターを通さずバイパスから煙突に直行させている。
 いずれにせよ、煙突からセシウムが降ってくるのは避けられそうもない。
 妊婦や子どもたちの上に放射能が降る。想像もしたくない図である。
 おまけに国の計画では、広域処理の計画量はガレキの20%に過ぎない。汚染物質の拡散は海外からも批判が集まっている。
 こんなバカを、何故国は意固地になってやるのか。野田や細野がとことんアホなのか。それとも、日本列島全部を放射能汚染地帯化し、日本人を総被曝させたいどこぞの国の謀略なのか。散々悪さして、ごめんも言わぬ嫌われ者の日本だから、これもありか。

 2012.2.16 節分のお茶畑

  3月の年度末と言えば、あちこち掘っくりかえす道路工事の枕詞のようになっているけど、実は出版業界も年度末に仕事が集中することがある。
 と言うのは、単価が1万円を超える大型本なんかは学校や自治体の図書館が頼みの綱。昨年の夏に刊行すると言いながら、年末に延期し、それも反故にした「奄美諸島の諺集成」は、図書館関係からけっこう予約を貰っている。3末までに出さねば、その予約もパー。
 予約は各地の書店さんが足で稼いでくれているから、パーになれば書店さんにも大迷惑だ。900頁の本である。ふー。もう少しで頂上に着く。
 もう一つのパターンは学者さんの本。大学の研究者が本を出す場合、公的な補助金を活用して、印刷費の幾分かをまかなう場合がある。出版社にとって印刷費も回収できない本が珍しくない昨今、これはとてもありがたい話である。以前は、こんなうまい話にはほとんど縁がなかったが、今年は3件ほど集中している。
 3末までに出さなければ、この補助もパーになる。3件の内1件は、2月の中旬にもなろうと言うのに、いまだに原稿の「げ」の字もない。
 ぎりぎりになってもこんな塩梅だから、もともとこの学者の段取りの悪さはどうしようもないし、原稿のレベルも期待できたものでもない。あちこちに断られた揚句、南方新社に話が回ってきたと考えれば、話のつじつまが合うね。今更断れないし、なーんだ、単なる貧乏くじか。
 原稿をブーンと振り回して、あちこちを黙らせながら短期間に本にしなければならないような仕事は、ある程度経験がなければ無理。自然と私に集中してしまう。と言うわけで、当分、貧乏暇なし状態が続く。
 ところで、茶摘みの歌「夏も近づく八十八夜」って、いつから八十八夜か知ってる?
 そう、答えは2月の立春からなのだ。立春っていつか、ぱっと思い出せないでしょ。その前日の節分なら豆まきをするからすぐ分かる。
 この節分の頃、茶畑の刈り込みをするのが田舎人の年中行事になっている。坊主頭に刈り込んでおけば、88日後の5月の連休には若葉がきれいに生えそろう。それを、袋の着いた茶挟みで摘むというわけだ。田舎には連休中だけ稼働する茶工場がある。1年分のお茶をゲットし、後はほったらかし。そして、また節分となるわけだ。もちろん蔓を払ったり、周りの草を刈ったりはするけどね。
 2月14日、ちょっと遅れたけど、今年も茶の刈り込みが出来た。なんだか、ほっとした。
 



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鹿児島市の郊外にある民家を会社にした「自然を愛する」出版社。自然や環境、鹿児島、奄美の本を作っています。

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